恋人を家族に紹介する時の2.3の事情

2000/1/26(水)〜1/30(日)
@tiny alice

タイニイ・アリス 03-3354-7307
全席自由 前売2500円 当日2800円

龍坐/小川尚徳(ダブルキャスト)
吹上竜啓/ひわだこういち(ダブルキャスト)
竹橋道子
藤沢愛
中津留章仁
広瀬万純
藤々高志
gucci
奈良朝洋/細谷正敏(ダブルキャスト)

※ダブルキャスト表記の左『トラ組』、右『シュマ組』、表記なしはシングル

制作       last creators production
構成・演出    中津留章仁
音響       高畠洋
照明       佐々木総
舞台監督・美術  中津留章仁
制作協力     花房尚作

作家の仕事部屋である、とあるマンションの一室。作家はその日、愛人を連れ込んでいた。夜の7時にはこの仕事場で息子の結婚相手に会う予定だと思っていたが、妻の留守電の1時と7時を聞き間違えていた為、妻が突然仕事部屋にやって来てしまう。愛人を妻に見られた作家は、咄嗟に愛人を息子の彼女だと嘘をついてしまった事から、やがて来る同じマンションに住む作家の甥と姪、更には出版社の男まで巻き込んで物語りはあらぬ方向へと強烈なスピードで展開していく・・・・。

TRASHMASTERSの記念すべき(でもない。そこまで真面目にやってなかった。)旗揚げ作品。KUUKANSHIJIN(空間詩人)を続けても絶対観客動員は見込めないと思ったので、当初TRASHMASTERSは客受けの良いものだけを作ろうというコンセプトだけで適当に、ユルく、いい加減に立ち上げたユニットでした。メンバーには2つも名前を持って分かりづらいとか散々叩かれましたが、今となっては皆もこのやり方を何となくは理解してくれているようです。出演者のグッチ(gucci)というのは俺の単なるバイト仲間です。この頃(てゆーか最初)からキャラ立ちする素人を板の上に乗せる事はやってましたね。何ていうんでしょう、養成所とかで芝居の勉強をしてきて金にもならない芝居をウダウダやってる俺達と、キャラ立ちするスーパー素人とを対比させたかったんでしょうねえ。やっぱ当てて書くとグッチもかなり持ってってましたからね。素人がこれだけ持ってける世の中で、役者の仕事って何?みたいな事は結構前から漠然とは考えてましたから。この事は回を重ねる毎にメンバーの中にも考える奴が増えて来たように思います。誰も触れませんけど。もっと極端に言えば、顔とか容姿が先行する芸能界とメディアの服従関係はどうしても俺達向きではないですからね。ま、ですから逆にブ男の逆襲とでも言いましょうか、一時期ボキャ天などで、お笑いの人達がもてはやされたのもそういった背景が多分にあったように思えます。こういう事考えてる人は結構いると思いますけど、問題は何をやれるか、魅せる事が出来るかっていう単純な事で。お笑いの人に見習い、ヴィジュアル系に対してアンチヴィジュアルな視点に立って、メソッドにもとらわれずに何が我々役者に残るのかという命題を自分で自分に突き付けたようなイメージの公演でした。このイメージは勿論俺だけです。他の人には普通に芝居を作って貰いました。傍観してた訳ですね、腹黒い(^_^')。でもやっぱ顔が二枚目なのに超した事はないッスね。世の中とはそういうモンです、ハイ。こういう事考えてたのを実は俺自身しばらく忘れてまして。何故ならこの芝居をやった途端この芝居が嫌いになったからでして。当初、本当に嫌になってたんですが、でも2002年にこれを再演する事になっちゃいます。何故ならこの後酷い話が続いたからでして(^o^)/。動員は伸びたので結局はそれで正解だったんでしょうけどね。という訳でキャッチーな内容である事がTRASHMASTERSの唯一のコンセプトだったにも関わらず、結局は俺の毒性がどんどん作品に侵食してき、TRASHMASTERSの作品でハートウォームな作品は今の所これ一本だけです、ハイ。

中津留章仁